日銀、正常化路線に暗雲=米関税に市場動揺、利上げ観測後退

トランプ米政権が打ち出した相互関税が金融市場を揺さぶっている。日本は24%の税率が課されることが判明。日経平均株価は4日も下げ止まらず、下落幅は2日間で2000円近くに達した。日銀は昨年3月のマイナス金利政策解除後も段階的に利上げを進めてきたが、経済の先行き不透明感が強まり、金融正常化路線に暗雲が漂い始めた。
植田和男日銀総裁は4日の衆院財務金融委員会で、米関税政策が「世界および日本経済に下押し圧力を働かせる」と指摘。「外部環境が大きく変化した場合、経済・物価見通しも変化する。それに合わせて適切な政策対応を取っていく」と述べ、景気が減速したり、物価が伸び悩んだりすれば利上げ路線を見直す考えを示唆した。
市場関係者の間でも日銀の早期利上げ観測が急速に後退している。日銀は4月30日から次回の金融政策決定会合を開く。第一生命経済研究所の藤代宏一主席エコノミストは「市場が荒れている状況での利上げは株価下落に拍車を掛ける可能性が高く、常識的に考えればあり得ない」と話す。
一方、生鮮食品を除く消費者物価上昇率は3年ほど前から日銀が目標とする2%を上回って推移し、足元では3%を超えている。今後、米国の保護主義的な動きが各国に波及すれば世界のサプライチェーン(供給網)が目詰まりし、日本でも輸入インフレが加速する恐れがある。世界経済の減速懸念が強まる中、日銀は今まで以上に難しい政策判断を迫られそうだ。
[時事通信社]
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