再建当初は金箔使用か=延暦寺の国宝「根本中堂」―滋賀

滋賀県は2日までに、天台宗総本山・比叡山延暦寺(大津市)の国宝「根本中堂」で、再建当初(1642年)の彩色や金箔(きんぱく)の痕跡を発見したと発表した。
根本中堂では、延暦寺が県に委託する形で2016年4月から保存修理事業が実施されている。その一環として軒下部分に残っていた塗膜を調べたところ、紫色や群青色の線や、縦約3ミリ、横約1センチの金箔の痕跡が見つかった。昔の図面などから再建当初に描かれたとみられる。
軒下は赤や緑色などで雲の模様が描かれていたことも分かった。過去の修理記録などから、この模様は大規模修理が行われた江戸時代中期の1754年、金箔などの上に塗り重ねたと考えられるという。
また、屋根の銅板は江戸時代には黒色で塗装され、中堂と回廊の外壁は上部と下部で異なる色で塗り分けられていたことも分かった。
県文化財保護課の永井利憲課長は「江戸時代の根本中堂は従来の認識をしのぐ壮麗な外観だった」と指摘した上で、「痕跡を忠実に復元し、貴重な文化遺産を後世に伝えたい」と話した。
根本中堂は788年に創建され、織田信長の焼き打ちにより1571年に焼失。現在の建物は江戸幕府3代将軍、徳川家光によって再建された。
[時事通信社]
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