40年以上、取締役在任=退任の日枝氏、グループに強い影響力

フジテレビで30年近く経営トップを務め、取締役在任期間は40年以上に及ぶ日枝久氏(87)。同社と親会社フジ・メディア・ホールディングス(FMH)の役職を退任することが決まった。「企業風土の礎をつくったのは間違いない」(FMHの金光修社長)とされ、1980年代にフジテレビの黄金期を築いた一方、「長期政権」が組織の硬直化やコーポレートガバナンス(企業統治)の不備を招いたと弊害を指摘する声が強まっていた。
日枝氏は早大卒業後の61年、フジテレビに入社。報道記者などを経て80年に42歳で編成局長に抜てきされた。「楽しくなければテレビじゃない」とのスローガンの下、82年から12年連続で「年間視聴率3冠王」を達成し、今に続く同社のカラーを確立させた。
この間、83年取締役、88年代表取締役社長に就任。その後、2001年に代表取締役会長に就き、03年からはフジサンケイグループ代表も兼務した。05年、堀江貴文氏率いるライブドアから、当時はフジテレビの筆頭株主だったニッポン放送へ敵対的買収を仕掛けられた際は、陣頭指揮を執って抗戦。和解を実現させ、グループ内での地位を確固たるものにした。
08年にフジテレビが持ち株会社のFMHに移行すると、同社と、子会社として新設されたフジテレビで会長と最高経営責任者(CEO)を兼務。17年には両社の取締役相談役となったが、代表権を手放してからも幹部人事などに強い影響力を持ち続けたとされる。
中居正広氏の女性とのトラブルを巡るフジテレビの対応に批判が強まると、米投資ファンドから「独裁者」という強い言葉を用いて辞任を求められるなど、責任を問う声が高まっていた。27日に記者会見したFMHの金光社長によると、「(日枝氏本人は)割と早い段階から経営の刷新に賛成し、方向は任せると言っていた」という。
[時事通信社]

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