早稲田実、101年経て雪辱=中村、伝統校対決の主役に―高校野球

101年の時を越え、選抜第1回大会の決勝と同じカードが実現。当時敗れた早稲田実は、エースで主将の中村が伝統校対決の主役を演じた。8回1失点、8奪三振の好投を見せ、打っては4安打3打点の大暴れ。初戦突破の立役者となった。
2死三塁のピンチを切り抜けた直後の二回。1死一塁で「狙いを絞って、甘い球だけを打てれば」。逆方向へはじき返した球はぐんぐん伸び、左越え二塁打で先制。チームを勢いづけた。
投げては140キロ前後の直球を主体に、高松商打線を手玉に取った。だが、八回に3連打を浴びて1点を失い、なお無死一、三塁のピンチ。「ストレートに自信を持てなくて、変化球を打たれた。しっかり開き直れた」。力で押す本来の投球を取り戻し、後続を投飛と見逃し三振、中飛に仕留めた。
昨夏の甲子園3回戦の大社(島根)戦にも先発。チームは自身が降板した後に追い付かれ、延長タイブレークの末に敗れた。悔しさを糧に鍛錬して成長したエース左腕を、捕手の山中は「安定感が増した」と信頼する。その中村は「緩急が少しずつ使えてきている」とさらに手応えを得た。
頼れる主将は「目標は日本一。一戦必勝で、全力でやっていきたい」。王貞治投手を擁した1957年以来の春制覇へ、力強く踏み出した。
[時事通信社]
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