ガザ停戦、崩壊=ハマスが飛翔体発射―イスラエルは地上作戦拡大
【エルサレム時事】イスラエル軍は20日、パレスチナ自治区ガザから飛翔(ひしょう)体が発射されたと発表した。イスラム組織ハマスはSNSを通じ、攻撃を実施したことを認めた。今年1月に発効した停戦合意は、イスラエル軍が18日に開始した大規模軍事作戦を機に崩壊した形だ。
イスラエル軍によると、飛翔体は3発で、ガザ南部から発射された。同軍は1発を撃墜。2発は何もない場所に落ちたという。ハマスは声明で、イスラエル中部の商都テルアビブを狙ったと主張。「(ガザ)住民への殺りくに対する反撃だ」と述べた。
一方、イスラエル軍は19日、ガザ中部と南部で「標的を絞った地上作戦」を開始。20日には北部にも侵攻した。ハマスとの停戦発効を受けて2月に軍を撤退させていた要衝「ネツァリム回廊」にも部隊を再展開した。
イスラエル軍は、作戦はガザ南部と北部の間に「緩衝地帯」を設置するためと説明した。南北間の往来や物資供給が再び制限されれば、住民生活は一層困難に陥る。カッツ国防相は「人質を返し、ハマスを放逐せよ。さもなければ完全な破滅と破壊が待っている」とガザ住民に警告した。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、イスラエル軍が20日未明に実施した空爆で少なくとも110人が死亡したと伝えた。地元保健当局によれば、18日以降のガザでの死者は500人を超えた。
中東メディアによると、ハマスは停戦を仲介するエジプトなどに対し、停戦を条件に、どんな形でも人質解放を受け入れると伝達した。イスラエルとハマスの代表団は19~20日にかけてカイロを短時間訪問したが、進展はなかったもようだ。
[時事通信社]
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