2025-03-19 06:48国際

米最高裁長官、異例の大統領批判=判事への弾劾要求をけん制

 【ワシントン時事】ロバーツ米連邦最高裁長官は18日、声明を発表し「弾劾が司法判断を巡る意見の相違への適切な反応でないことは、200年超にわたって確立されてきた」と述べた。個別の事件について言及は避けたが、トランプ大統領が同日、特定の判事の弾劾を要求したことを受け、司法批判のエスカレートをけん制したとみられる。米メディアが報じた。
 最高裁長官が政治に関わる声明を出すのは極めて異例。トランプ氏は18日、SNSへの投稿で、意に沿わない判事を「狂った極左」などと呼び「弾劾されるべきだ」と訴えていた。名指しはしていないものの、トランプ氏は戦時法による移民送還を差し止めたワシントン連邦地裁のボースバーグ判事と対立しており、同氏を指すとみられる。
 一部共和党議員はトランプ氏の投稿後、ボースバーグ氏の弾劾決議案を提出。実業家のイーロン・マスク氏も、政権が進める公務員の大規模解雇や補助金凍結を阻止した判事の弾劾を求めていた。こうした判事が脅迫を受けた事例もあり、司法の独立が脅かされる懸念が高まっている。
 ロバーツ氏はブッシュ(子)大統領により最高裁長官に指名された穏健保守派。昨年末の報告書では、政治家が司法判断を公然と無視する風潮を「断固拒絶する」と述べている。 
[時事通信社]

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