ドゥテルテ前フィリピン大統領、ICC初審理=人道の罪で公判前手続き
【パリ時事】国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)は14日、多数の麻薬密売人らを暗殺集団に殺害させたとして、人道に対する罪の疑いで逮捕されたドゥテルテ前フィリピン大統領(79)の初審理を行った。公判前手続きで、ドゥテルテ氏は長時間の移送を理由に出廷を免除され、ハーグ郊外の勾留施設からテレビ会議で判事の人定質問などに応じた。
ドゥテルテ氏は在任中、違法薬物根絶に向けて「麻薬戦争」を展開。少なくとも数千人が殺害されたとみられている。比警察が11日に逮捕。12日にICCに引き渡され、勾留施設に入った。審理には背広とネクタイ姿で臨み、氏名、生年月日、出身地を英語で答えた。
弁護側は逮捕の背景に「ドゥテルテ氏の遺産を帳消しにしたい(マルコス)現大統領」の思惑があると主張。ICCへの移送を「誘拐」と批判し、ドゥテルテ氏は健康問題を抱えていると訴えた。
長女のサラ副大統領は勾留施設を訪れ、ドゥテルテ氏と1時間ほど面会。審理後、記者団に「国民の心からの支援に感謝する」と述べた。
判事はドゥテルテ氏の裁判を開くか否かを検討するため、検察側の意見を聴く審理を9月23日に仮設定した。公判が始まる場合は2026年以降とみられ、判決には数年かかる見込みだ。
[時事通信社]
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