「好きになっちゃった」世界陸上=俳優の織田裕二さんインタビュー―東京大会開幕まで半年

9月に東京で行われる陸上の世界選手権開幕まで、13日で残り半年。大会スペシャルアンバサダーで俳優の織田裕二さん(57)がこのほど、東京都内で時事通信のインタビューに応じ、1997年から2022年まで13大会連続で務めたテレビ中継のメインキャスター時代の裏話を披露した。大会の魅力を熱っぽく語った。
織田さんは学生時代、野球やテニスに打ち込んだが、陸上経験はない。メインキャスターを打診された当初は「何で僕なんですか。陸上の楽しさは理解できません」と乗り気ではなかったというが、「そういう人にやってもらい、魅力を伝えてほしい」と説得された。
◇空き時間はサブトラへ
番組スタッフから陸上の知識や奥深さを教わると、「面白いと思っちゃった。僕みたいに、むしろ『陸上アンチ』だった人が好きになるかもしれない」。07年大阪大会からは原則、都内のスタジオではなく現地から中継。空き時間にサブトラックへ行って選手の練習を観察したり、番組の勉強会に参加したりして、興味を持った情報を視聴者に届けた。
ストレートに感情を表現して共感を呼び、「地球に生まれてよかった」など数々の名言を残した。大会期間中は、朝から夜遅くまで長時間の激務が続く。15年北京大会は高熱が出て極限状態に。22年オレゴン大会で「卒業」が決まると、「寂しいと同時にちょっとほっとした」と率直に打ち明ける。
ただ、21年東京五輪が新型コロナウイルスの影響で無観客開催となり、関われなかったことは心残りだった。東京で34年ぶりに開催される世界選手権で大役をオファーされると、即答で快諾。「大好きにさせられてしまった陸上にまた携われる。楽しみでしょうがない」と胸を高鳴らせる。
◇忘れられないボルト
今大会のキャッチコピーは「1秒後、世界が変わる。」。09年ベルリン大会の男子100メートルと200メートルで、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が世界新記録を樹立したレース前の静寂とその直後の興奮は、脳裏に焼き付いている。「一瞬で世界が切り替わった。10万人ぐらい集まっている競技場が、呼吸まで合わせているように一つになり、世界新が出た瞬間にそれが破裂した」と思い起こす。
日本勢では女子やり投げパリ五輪金メダリストの北口榛花(JAL)、男子短距離のサニブラウン・ハキーム(東レ)、男子走り幅跳びの橋岡優輝(富士通)、女子中長距離の田中希実(ニューバランス)らに期待する織田さんだが、海外勢の名前も注目選手として次々に挙げる。「このチャンスにぜひ陸上を生で見てもらいたい。100メートルで10秒を切り、8メートルを跳ぶ。本当にびっくりする。数十年後まで破られない世界新が、東京で見られるかもしれない。僕にとっては二度と見られないであろう東京大会を満喫したい」。
[時事通信社]


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