経験や教訓を後世に=「必ず復興を」―各地で追悼式・東日本大震災14年

東日本大震災から14年となった11日、岩手、宮城、福島3県で追悼式が行われ、地震発生時刻の午後2時46分に黙とうがささげられた。参列者らは全国からこれまで寄せられた支援に感謝を伝えるとともに、経験や教訓の後世への継承を誓った。石破茂首相は、福島県主催の式典に参列し、献花した。
福島市で営まれた追悼復興祈念式には約370人が参列。内堀雅雄県知事は「古里の再生に向けた新たな動きが広がっている」と強調し、「今後も長く険しい道のりが続くが、決して負けない。挑戦を続け、必ず復興を成し遂げる」と力を込めた。
夫が災害関連死と認定された同県大熊町在住の大竹英子さん(60)は、遺族を代表し「避難生活中に全国から支援や手紙をいただき、生きる希望が生まれた。恩返しとして、いただいた勇気や震災の経験を伝えていけたら」と語った。
石破首相は政府代表のあいさつで「大きな犠牲の上に得られた教訓を風化させることなく後世に継承する。能登半島地震や大規模火災をはじめとする自然災害への対応に生かし、(日本を)世界一の防災大国にすべく力を尽くす」と述べた。
津波で甚大な被害を受けた岩手県釜石市鵜住居町に整備された「釜石祈りのパーク」では、市主催の追悼式が実施され、遺族ら約120人が参列した。津波で夫と長男を亡くした会社経営宮田キナヱさん(76)は「あの日の釜石の街、戦争の後のようながれきの山、何年たっても忘れることはできない」と振り返った。多くの支援のもと、会社を再開できたという宮田さんは、「ご恩返しのつもりで、これからも地域のため、釜石のため、精いっぱい仕事を頑張ります」と決意を示した。
関連死を含む約3800人が犠牲となった宮城県石巻市主催の追悼式には、遺族ら約70人が参列。斎藤正美市長は式辞で世界中から寄せられた支援に謝意を示し、「御恩を忘れることなく、後世に伝え継ぐ」と述べ、今後について「地域コミュニティーの再生や心のケアなどソフト面での支援に力を入れる」と決意を語った。
[時事通信社]



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