2025-03-10 20:25スポーツ

試練の土俵、己信じて=琴桜、苦境で連敗せず―大相撲春場所

琴桜(左)は寄り切りで豪ノ山を下す=10日、エディオンアリーナ大阪
琴桜(左)は寄り切りで豪ノ山を下す=10日、エディオンアリーナ大阪

 初のかど番という正念場で黒星発進。「しっかり切り替える」と表情を変えずに言った琴桜の重圧は計り知れないが、「やるべきことをやってきた」と臨んだ場所。己を信じて土俵に上がった。
 豪ノ山との一番は左をのぞかせ、相手の出足を止める。左四つから、最後はもろ差しで寄り切った。過去6度の対戦で一度も負けたことがなかった埼玉栄高の後輩に番付の違いを見せつけ、「しっかり攻めながら、形になれた」と一息ついた。
 昨年11月の九州場所で初優勝。続く初場所は綱とりに挑んだが、心身の歯車がかみ合わずに10敗。「もう終わったこと」。屈辱を晴らす思いは言葉よりも行動に表れた。大阪入り前には、珍しく出稽古へ。異例の鍛錬で試練の土俵に備えてきた。
 場所前には稽古の内容に納得できず、報道陣の撮影を止めさせる場面も。普段は柔和な人柄だが、それだけ集中している様子がうかがえた。「まだまだ序盤。変わらずやっていく」。大関昇進7場所目で生き残りを懸けた戦い。本来の力を発揮できれば、苦境は乗り越えられるはずだ。 
[時事通信社]

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