ウクライナ大統領は「独裁者」=トランプ氏、ロシアに同調―欧州が「危険」と批判
トランプ米大統領は19日、ウクライナのゼレンスキー大統領を「選挙なき独裁者」だと批判した。選挙を経ていないとしてゼレンスキー政権の「正統性」を問題視するロシアのプーチン大統領に同調した形。ロシアの侵攻を受けるウクライナを支援する欧州主要国からは「危険だ」(ドイツのショルツ首相)と非難する声が上がっており、米国と欧州・ウクライナの間の亀裂が改めてあらわになった。
ゼレンスキー氏は2019年に就任。任期は5年だったが、侵攻を理由に戒厳令を延長し、24年3月に予定されていた大統領選を先送りした。
トランプ氏はこうした経緯を念頭に、自身のSNSへの投稿でゼレンスキー氏について「選挙を拒否している。世論調査でも非常に(支持率が)低い」と主張。米ロ主導でウクライナでの戦争終結に向けた対話が進展しているとの認識を示し、「早く行動した方が良い。さもないと国は残らないだろう」とゼレンスキー氏に警告した。
ゼレンスキー氏はこれに先立ち、根拠なく同氏の支持率が「4%まで落ちている」と語ったトランプ氏を「偽情報の空間に住んでいる」と非難。「誰かが私を代えようとしても、すぐにはうまくいかないだろう」と語っていた。
トランプ氏の投稿はゼレンスキー氏の発言に反発したものだが、欧州主要国は直ちに否定的反応を示した。スターマー英首相は19日、ゼレンスキー氏と電話会談し、同氏を「民主的に選ばれた指導者」と呼び、支持を改めて表明。ショルツ氏は同日、シュピーゲル誌の取材に「全くの誤りで危険だ」と批判し、戦争中に選挙ができないのはウクライナの法的要件と一致していると強調した。
スターマー氏とフランスのマクロン大統領は来週訪米し、トランプ氏と会談する予定。ウクライナ戦争の停戦交渉に関する欧州側の見解を伝え、ウクライナに平和維持部隊を派遣する構想について説明するとみられる。ただ、ゼレンスキー政権の正統性に関する見解の相違が先鋭化し、トランプ氏の欧州軽視の姿勢がかえって強まる恐れもある。
[時事通信社]
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