戦争終結、ロシアが主導権=「蚊帳の外」にウクライナ不満―トランプ氏は先行き楽観
【ワシントン時事】米国とロシアは、2国間関係の修復や開始3年を迎えるウクライナでの戦争終結を目指し、高官級協議などを通じて対話を深めていくことで一致した。首脳間の電話会談を契機に米ロが急速に接近する中、侵攻を受ける当事国ウクライナは蚊帳の外。対話の主導権はロシアが握る。
「非常に良かった。彼らは蛮行をやめたがっている」。トランプ米大統領は18日、サウジアラビアで開かれた米ロ高官協議の手応えに関し、こう強調した。「この戦争を終わらせる力が私にはある」とも述べ、対話の先行きに楽観的な見方を示した。
ルビオ米国務長官やロシアのラブロフ外相らが出席した協議では、在外公館の業務正常化など外交関係修復を通じ意思疎通を強化することで合意。ウクライナの戦争終結を巡っては、米ロ双方が特使を任命し、高官級協議を開始することを申し合わせた。
休憩を含め約4時間半に及んだ協議について、ラブロフ氏は「雰囲気は極めて前向きだった」と評価。米国のウィトコフ中東担当特使も「これ以上の成果は想像できない」と述べ、話し合いが良好だったことをうかがわせた。
一方、不快感を示したのがウクライナだ。ゼレンスキー大統領は「ウクライナ抜きで戦争を終える決定はできない。舞台裏で仲介されることは望んでいない」と強調。一部報道では、米ロ両国がウクライナの高官協議参加を拒否したとも伝えられる。
ウクライナ側の不満について問われたトランプ氏は「失望した」と批判。ロシアが侵攻を開始したことを棚に上げ、「3年の間に終わらせるべきだった。戦争を始めるべきではなかった」と、ゼレンスキー氏へのいら立ちをぶちまけた。
さらに「ウクライナ国民は長く選挙をしていないことに声を上げるべきだ」と指摘し、ゼレンスキー氏が戒厳令を延長し、大統領職にとどまっていることを問題視した。ゼレンスキー政権の「正統性」を疑う主張を繰り返すロシア側と、歩調を合わせた格好だ。
米FOXニュースによると、米ロ間では「停戦」「ウクライナでの選挙」「和平協定締結」の3段階で戦争終結を目指す案が浮上している。ただ、ウクライナ国民は長引く侵攻で疲弊し、大統領選が実施されればロシアの干渉で親ロ派政権が誕生する可能性がある。ロシアのペースで対話が進むことに、ゼレンスキー氏は警戒感を強めている。
[時事通信社]
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