米ロ、関係修復を優先=対話継続へ枠組み構築
【ワシントン時事】米国とロシアの両政府高官は18日、サウジアラビアの首都リヤドで会談し、ウクライナ戦争終結に向け、対話の枠組みを構築することで合意した。ロシアのウクライナ侵攻以降、米ロ間では本格対話が途絶えていたが、約3年ぶりとなった高官協議で関係修復を優先する姿勢を鮮明にした。
「真剣なプロセスに取り組む用意があると確信した」。ルビオ米国務長官は高官協議に出席後、記者団に対し、ウクライナ戦争終結に向けた対話に応じたロシア側の姿勢をこう評価した。ロシアからはラブロフ外相、ウシャコフ大統領補佐官(外交担当)が出席した。
米ロ両政府によると、18日の高官協議では、双方がそれぞれ早期に大使を承認するほか、在外公館の業務正常化に向けて次官レベルで協議を開始することなどで合意。ルビオ氏は「意思疎通を確立することが目標だった。長く困難な旅の第一歩だ」と強調した。
戦争終結を巡っては高官級協議を立ち上げることで合意。ルビオ氏はウクライナや欧州諸国もこの協議に関与すると説明している。ウォルツ米大統領補佐官(国家安全保障担当)は時期には触れなかったものの「領土や(ウクライナへの)安全の保証に関する議論もあるだろう」と語った。
米ロ高官が開いた最後の本格協議は2022年1月にさかのぼる。ロシア軍がウクライナ国境に集結する中、ブリンケン前米国務長官がラブロフ氏とスイス・ジュネーブで会談。だが、ロシアは翌2月にウクライナ侵攻に踏み切った。
3年余りの間、米ロの高官や軍幹部の電話会談などはあったものの、本格対話は実現しなかった。過去に制裁の応酬で互いに大量の外交官を追放し、領事館などが閉鎖や業務停止に追い込まれたことも対話停滞に拍車を掛けていた。
[時事通信社]
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