「米国への不満」吸収=欧州、新興国に外交攻勢―中国
【北京時事】第2次トランプ米政権発足を受け、中国が欧州やグローバルサウス(新興・途上国)を対象に外交攻勢を強めている。「米国第一」を掲げ、同盟・友好国への追加関税や国際機関からの脱退を主張するトランプ米大統領に対する各国の不満を吸収し、競合勢力としての中国への支持を高める狙いだ。
「中国が国際秩序の変革を試みていると言う人がいる。しかし、今現実に秩序に逆らい、取り決めを破り、欧州に日々寒けを催させている国がある」。14日、ドイツで開幕したミュンヘン安全保障会議で演説した王毅共産党政治局員兼外相は、トランプ政権を念頭にこう力説した。
今年の演説は昨年とは打って変わり、共感を得にくい台湾問題を巡る攻撃的主張を避け、米国に代わる「秩序の擁護者」としての中国像を打ち出すことに重点が置かれた。中国メディアは、演説後に多くの出席者が握手を求めて演壇の王氏の元に集まる様子を、直前に登壇してまばらな拍手しか受けられなかったバンス米副大統領と対比しながら報じた。
王氏は会議に先立ち、関係が冷え込んでいた英国を訪れスターマー首相らと会談し、トランプ氏が後ろ向きな気候変動対策などでの協力を強化する方針で一致した。会議の期間中も、欧州連合(EU)のカラス外交安全保障上級代表(外相)やドイツ、スペイン両国外相らと個別に面会。ロシアの侵攻を受けるウクライナ問題の解決に向けた中国の貢献や、経済面での関係深化を訴えた。
王氏は18日には米ニューヨークの国連本部で「多国間主義の実践」をテーマとする閣僚級会合を主宰。さらに南アフリカに渡り、20カ国・地域(G20)外相会合に出席する。ルビオ米国務長官はG20の場を使って「反米主義」を助長していると南アを批判し、会合出席を見送ると表明しており、中国にとっては、G20内でリーダーシップを発揮する好機となる。
北京の識者は、米国のイスラエル支援などを背景に、バイデン前政権時代から新興国の間で「米国嫌い」の風潮が高まっていると指摘。「中国はこれを利用しようとしている」と分析した。
[時事通信社]
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