停戦に「真の安全の保証必要」=ゼレンスキー氏演説―「ロシアに対話の準備ない」・独安保会議
【ミュンヘン時事】ドイツ南部ミュンヘンで開かれているミュンヘン安全保障会議は15日、2日目の議論を行った。ウクライナのゼレンスキー大統領が前日の討論会参加に続いて演説し、ロシアの侵攻開始から3年の節目を前に「真の安全の保証がなければ、停戦に同意することはできない」と強調した。
ゼレンスキー氏はウクライナ北部のチェルノブイリ原発に対するロシアの攻撃に触れ、「彼らは対話の準備をしていない」と指摘。ロシアが今夏にウクライナと国境を接する隣国ベラルーシに軍部隊を派遣するとの情報があるとも明らかにした。
その上で、「真の安全の保証」としてロシア軍の撤退や同国に対する圧力の維持に言及した。特に欧州各国に欧州統合軍を創設するよう呼び掛け、団結して停戦交渉に関与するよう求めた。
ショルツ独首相も登壇し、「押し付けのウクライナの平和をわれわれは支持しない」と表明。米ロによる頭越しの停戦交渉をけん制した。
今回の安保会議は、直前にトランプ米大統領とロシアのプーチン大統領が停戦交渉開始で合意したことから、ウクライナ情勢が最大の焦点となっている。ただ、トランプ氏が「14日にミュンヘンで開かれる」と語った米ロ当局者の会合が開催されたという情報はない。
会議初日の14日には、バンス米副大統領が演説でロシアではなく欧州の同盟国を「脅威」と非難し、波紋を広げた。中国の王毅共産党政治局員兼外相は「米国第一」を掲げるトランプ政権とは対照的に、国際協調を重視する姿勢をアピールした。
15日には岩屋毅外相も討論会に参加。会議に合わせ、第2次トランプ政権発足後初となる先進7カ国(G7)外相会合や日米韓外相会談など、2国間・多国間の会談も設定された。
会議は16日に閉幕する。インド太平洋や中東など地域情勢も討議される。
[時事通信社]
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