水中で120日間生活 ドイツ人男性がギネス世界記録を樹立
【プエルトリンド(パナマ)AFP=時事】ドイツ出身の航空宇宙エンジニア、ルディガー・コッホさん(59)が24日、世界最長となる120日間の「水中生活」を減圧せずに達成し、ギネス世界記録を更新した。水中滞在期間のこれまでの世界記録は、米国人が達成した100日間だった。≪写真は、パナマ・プエルトリンド沖で、「水中生活」の最長記録を更新し、シャンパンで祝うルディガー・コッホさん≫
コッホさんが海中11メートルに沈められた海中カプセルから姿を現すと、ギネスの認定員は、コッホさんが記録を更新したと認めた。
「素晴らしい冒険だった。終わってしまったのが少し残念だ。ここで過ごした時間はとても楽しかった」とコッホさんはAFPに語り、カプセルの円窓から見える景色について「静まり返って暗くなり、海が輝いている様子は美しい」「言葉では言い表せない。体験してみないと分からない」と説明した。
カプセルが沈められているのは、パナマ北部の海岸からボートで約15分の海中。
広さ30平方メートルのカプセル内部には、ベッド、トイレ、テレビ、パソコン、インターネット、さらにはエアロバイク、ソーラーパネルと予備の発電機など、現代生活に必要なほとんどの設備が備わっている。唯一欠けているのはシャワーだ。
狭いらせん階段で接続されている海上の別の空間から食料が届けられ、医師を含め、訪問者もこのルートを利用していた。
以前、AFP記者が取材に訪れた際、コッホさんは、このチャレンジによって、人間の生活や居住継続可能な場所に関する概念に変革をもたらしたいとの考えを示し、「海が人間の居住環境の一つになり得ることを示せるかもしれない」と語っていた。
仏小説家ジュール・ヴェルヌの「海底二万里」のネモ船長のファンだというコッホさん。ベッドサイドテーブルには、この本が1冊置かれていた。
カプセル内では4台のカメラが動きを撮影。日常生活を記録し、精神面の健康状態もチェックしながら、コッホさんが一度も水面に浮上しなかったことを証明した。
ギネス認定員は、「120日以上にわたって24時間体制でモニタリングと検証を行う証人を必要とした」と説明し、この記録は「間違いなく最もとっぴなチャレンジの一つ」で「大変だった」と付け加えた。
記録が認められると、コッホさんはシャンパンで乾杯し、葉巻を吸うと、カリブ海に飛び込んだ。ボートで陸地に上陸すると、祝賀パーティーに向かった。【翻訳編集AFPBBNews】
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