2025-01-26 20:41スポーツ

己貫き、最高位への道開く=豊昇龍、気迫あふれ―大相撲初場所

優勝決定戦で、王鵬(左)を寄り倒した豊昇龍=26日、東京・両国国技館
優勝決定戦で、王鵬(左)を寄り倒した豊昇龍=26日、東京・両国国技館

 気迫を前面に押し出した。豊昇龍は、勝てば賜杯獲得が決まる王鵬との優勝決定ともえ戦で鋭く踏み込む。押し込みながら左で上手を取ると、出し投げで崩して粘る相手を寄り倒した。「やってきた稽古を信じた」。感極まった表情を見せた。
 金峰山に対しては右下手を引き、大きく振ってから寄り切って王手をかけた。実は、ともえ戦の対戦順を決めるくじを真っ先に引いていた大関。「我の強さも尊敬する」とは王鵬。1番手で土俵に上がって流れを引き寄せ、己を貫き通した。
 琴桜を退けた本割の結びをはじめ、厳しい攻めが光った今場所。9日目までに平幕相手に3敗を喫したが、師匠の立浪親方(元小結旭豊)の「楽しくやれ」との言葉に奮起し、10日目から負け知らず。師匠も「あそこでしっかり切り替えられるのが彼の強さ」とうなった。
 足技や安易な投げが減り、変幻自在ながら真っ向勝負が目立った。場所後の横綱昇進がほぼ確実に。おじの元朝青龍が極めた番付の頂点は「入門した時からの夢。しっかり一から頑張る」と豊昇龍。重責を担うことになり、決意を新たにした。
 一人横綱の照ノ富士が引退し、平幕力士の活躍が目立った混戦の今場所で大関の意地を見せた。「基本の四股、すり足、てっぽうをしっかりやった結果」と胸を張る。千秋楽で見せた負けん気の強さは、元朝青龍とも重なる。重圧すらも力に変え、目の前の勝負に全てを懸ける覚悟だ。 
[時事通信社]

王鵬(左)を寄り倒し、優勝を決めた豊昇龍=26日、東京・両国国技館
王鵬(左)を寄り倒し、優勝を決めた豊昇龍=26日、東京・両国国技館
大相撲初場所で優勝し、賜杯を手に万歳する豊昇龍(中央)=26日、東京・両国国技館(代表撮影)
大相撲初場所で優勝し、賜杯を手に万歳する豊昇龍(中央)=26日、東京・両国国技館(代表撮影)

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