ハマスが人質4人解放=イスラエルも囚人200人釈放―連日の発砲、なお不安定・ガザ停戦1週間
【エルサレム時事】イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦が続くパレスチナ自治区ガザで25日、ハマスが新たに人質のイスラエル人女性4人を解放した。これを受け、イスラエル側も収監するパレスチナ人を釈放した。停戦は26日で発効から1週間たつが、ガザに駐留するイスラエル軍は連日のように「不審者」に向けて発砲。偶発的な衝突で停戦崩壊の危険性が高まりかねない不安定な状況が続いている。
ハマスの人質解放は停戦発効日の19日以来、2回目。ガザ北部ガザ市の広場には大勢のハマス戦闘員が整列し、人質4人の身柄を赤十字国際委員会(ICRC)に引き渡した。4人の身柄はその後、ICRCからイスラエル軍の管理下に移され、イスラエル領内で家族と再会した。6週間と定められた停戦第1段階で解放予定の33人のうち、1回目の3人を加えた計7人がイスラエルに戻ったことになる。
4人はいずれも2023年10月のハマスによるイスラエル奇襲で拉致されたイスラエル兵だ。解放されるとみられていた民間人女性1人は含まれず、首相府は25日、この女性が引き渡されるまでガザ北部への避難民の帰還を許可しないとする声明を出した。
イスラエル当局は、囚人200人を釈放したと発表。報道によると、この中には終身刑に服していた人も含まれている。約70人はエジプトに追放された。その後カタールなどに移動するとみられている。
停戦下でも、イスラエル軍が「脅威にさらされた」としてガザの人々に発砲する事例が相次ぐ。合意では、停戦期間中に軍がガザの人口密集地域から撤収すると定められている。軍は22日、ガザ北部ジャバリヤからの撤退を発表したが、実際にどの程度撤収が進んでいるかは不明だ。
停戦発効後、これまで放置されていたがれきの撤去作業も始まった。ガザ保健当局によると、300人以上の遺体が収容され、23年10月の衝突開始以降の死者は約4万7300人となった。
[時事通信社]
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