日銀「0.5%の壁」到達=利上げ継続、判断慎重に
日銀が政策金利を0.5%程度にすると決めた。2%物価上昇目標の持続的・安定的な実現の確度が一段と高まれば、利上げの継続が見込まれ、過去30年近く越えたことのない「0.5%の壁」を越える。景気を刺激することも冷ますこともない「中立金利」に近づいていくため、過度な金融引き締めにつながらないよう慎重な政策運営が求められることになる。
日銀は最新の景気予測「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で示した2026年度までの見通し期間の後半に、政策金利を中立金利の水準まで引き上げることを想定。中立金利は1~2.5%程度と幅広いレンジ(範囲)で推計されている。日銀内には「1%までは利上げを進めたい」(幹部)との意見がある。
ただ、実際の中立金利の把握は難しい。植田和男総裁は「どの辺で利上げをストップするのかという問題は、大きな課題として依然残っている」と説明する。
0.5%に利上げするのは約18年ぶり。前回は06年3月に量的金融緩和を解除した後、同年7月と07年2月に0.25%ずつ利上げを進めた。
しかし、08年秋のリーマン・ショックで量的緩和に逆戻りし、長らく「金利のある世界」から遠のいた。継続的な利上げが日本経済にどのような影響を及ぼすのか、過去のデータは乏しく、今後は経済・物価の反応を見極めながら利上げを判断する局面となる。
植田氏は今回の利上げを決めた24日の金融政策決定会合後の記者会見で、「ぽんぽん上げていけると安易に考えず、注意深く進んでいきたい」と述べた。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、経済の実力を示す「潜在成長率」の低さなどから、中立金利は「1%弱」にとどまると想定。「経済・物価に悪影響が及ばないよう手探りの政策運営となる。今年後半の0.75%への利上げで打ち止めとなる」とみている。
最新動画
最新ニュース
-
松田、体調整わず=大阪国際女子マラソン
-
元同級生宅に放火容疑=高1男子逮捕―大阪府警
-
殺人未遂容疑で46歳男逮捕=黙秘、無差別に刺したか―長野駅前3人死傷・県警
-
大谷「できる限り支援」=団結呼び掛ける―LA山火事
-
小林、日本人最高の2位=鈴木優3位、エデサが連覇―大阪国際女子マラソン
写真特集
-
【野球】イチローさん
-
【スノーボード男子】成田緑夢
-
【カーリング】藤沢五月
-
【高校通算140本塁打の強打者】佐々木麟太郎
-
【駅伝】第101回箱根駅伝〔2025〕
-
【野球】慶応大の4番打者・清原正吾
-
【競馬】女性騎手・藤田菜七子
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕