労使、賃上げ定着で一致=中小への波及焦点―25年春闘、事実上スタート
経団連の十倉雅和会長と連合の芳野友子会長が22日、東京都内で会談し、2025年春闘が事実上スタートした。両者は、物価上昇と賃金引き上げによる経済成長のサイクル実現へ正念場を迎えているとの認識で一致。今後本格化する労使交渉では、33年ぶりの高水準となった24年春闘の勢いを引き継いで構造的賃上げを定着させるため、大企業だけでなく中小企業にどこまで賃上げを波及させられるかが焦点となる。
冒頭で十倉氏は「賃上げを通じて分厚い中間層を形成し、日本経済を成長と分配の好循環に導くことがわれわれ企業の社会的責務だ」と強調。「連合の皆さんと認識や方向性を共有し、協調できればと願っている」と呼び掛けた。芳野氏も「賃金、経済、物価を安定した巡航軌道に乗せられるよう労使で努力したい」と応じた。
連合は25年春闘方針で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた賃上げの要求水準として「5%以上」を掲げている。経団連は今春闘の経営側指針「経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)」で、「方向性は一致している」と理解を示し、手法についても「ベアを念頭に置いた検討が望まれる」と会員企業に呼び掛けるなど双方の認識は近い。
[時事通信社]
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