森林経営集約化へ「構想」策定=地域で協議、法改正を検討―林野庁
林野庁は、所有者が手入れできない森林を市町村が引き受け、事業者への再委託などを行う「森林経営管理制度」を見直し、集約化をさらに進める方向で検討している。市町村や事業者、所有者が集まった地域協議会で、対象区域や受け手となる事業者、林道整備の方針を盛り込んだ「構想」を策定できる仕組みを設ける。採算が取れるよう面的な管理を促す狙いで、通常国会への森林経営管理法改正案の提出を目指す。
2024年3月までの5年間に市町村が森林所有者に対して行った意向調査では、市町村への委託希望があったのは約22.6万ヘクタール。ただ、実際に事業者への再委託につながったのは1万ヘクタールに満たない。林野庁は、市町村や事業者など関係者間の連携が不十分なことが背景にあるとみている。
制度の見直しでは、所有者への意向調査を踏まえ、地域協議会で集約化構想を策定する仕組みを創設。複数市町村や都道府県との共同策定も認める。こうした枠組みの下で、事業者が主体的に、所有者に対して集約化への同意を働き掛けられるようにする。
事業者への再委託を巡っては、市町村の職員不足により進まないなどの課題がある。そこで、市町村が所有者から森林を引き受けたり、事業者に再委託したりするために作る「集積計画」「配分計画」について、一括での策定を可能とする。所有者を探し出すといった事務を担う法人を制度に位置付け、市町村による集約化の取り組みを後押しする仕組みも設ける。
[時事通信社]
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