「Live118」運用開始=通報時に映像送受信―認知度アップ課題・海保
海上保安庁は18日、海の事件や事故を海保に知らせる「118番」通報を受けた際、通報者がスマートフォンで撮影した動画を受信したり、救命救急に必要な動画を通報者に送信したりできるシステムの運用を開始した。ただ、118番は間違いや無言電話が99%を占めており、認知度アップが課題となっている。
システムの名称は「Live(ライブ)118」。通報を受けた後、海保から通報者にURLをショートメッセージで送り、専用サイトにアクセスしてもらう仕組みで、送信する動画は、やけどの手当や止血、気道異物除去など9種類ある。担当者は「救命率の向上につなげたい」と意気込む。
運用開始に先立ち、本庁で行われた訓練では、プレジャーボート上で急病人が発生したとの想定で、通報者から急病人の様子を撮った動画を受け取る一方、心肺蘇生法を解説した動画を送り、「正しく圧迫できています」などと呼び掛けていた。
118番は、海難事故での迅速な救助につなげるほか、社会問題となっていた密航や密輸、不審船の情報提供を募ろうと、2000年5月にスタートした。ただ、有効な架電件数は年間5000件程度と横ばいの一方、非有効件数は毎年全体のおよそ99%を占めている。24年は、有効が4792件に対し、非有効は約39万5000件に上った。
時報の「117」や、消費者ホットライン「188」との混同が一因とみられるが、詳しい原因は不明で、担当者は「認知度アップに努めるしかない」。海保は、毎年1月18日を「118番の日」と定め、各地で周知活動に取り組んでいる。
[時事通信社]
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