ろうそく6434本で追悼=阪神大震災「風化させない」
阪神大震災から30年となるのを前に、兵庫県伊丹市にある昆陽池公園で16日、犠牲者数と同じ6434本のろうそくを夜通しともして追悼する集いが開かれた。約400人が参加し、地震発生時刻の12時間前にあたる午後5時46分、黙とうをささげ、犠牲者の冥福を祈った。
集いは同市のボランティア団体「ユー・アイ・アソシエーション」が震災翌年から毎年開催しており、地震発生時刻までろうそくをともし続ける。
30回目の今年のテーマは、過去を見て未来に進むという意味の「鑑往知来(かんおうちらい)」。ろうそくは発生時刻を指した時計に見立てた月と、月の光に照らされた道を歩く親子を表して配置され、過去と向き合い未来に進むという思いが込められた。ろうそくには「犠牲者の思い受け継ぐ」「命を大切に」など、さまざまなメッセージが記された。
自宅が全壊し、当時生後8カ月の娘と被災したという正木聡さん(66)は「たくさんの亡くなられた方に向けて祈った。震災を知らない世代には、教訓をしっかりと語り継いでほしい」と訴えた。高校2年の荻野久蘭さん(17)は「(震災当時は)まだ生まれていないが、風化させたくないという思いでろうそくに火をともした」と話した。
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