日韓連携の揺らぎ懸念=政府、意思疎通図る―韓国政局
政府は、韓国の尹錫悦大統領が現職で初めて捜査当局に拘束されたことを受け、尹政権下で進めてきた日韓、日米韓連携が揺らぐ事態を懸念している。混迷を深める韓国政局の情勢を注視しつつ、両政府間で意思疎通を図る方針だ。
林芳正官房長官は15日の記者会見で「韓国は重要な隣国だ。引き続き緊密に意思疎通していく」と強調した。
日韓関係を巡っては、岩屋毅外相が13、14両日に訪韓し、趙兌烈外相や、尹氏の職務を代行する崔相穆経済副首相兼企画財政相らと相次ぎ会談。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応を含め、日韓、日米韓連携の重要性を確認した。
政府は韓国国内の状況にかかわらず、安全保障面で支障が生じないよう、協力継続を働き掛ける構え。岩屋氏は15日、訪問先のフィリピン・マニラで記者団に「わが国を取り巻く安保環境、戦略環境が厳しい中、今後も日韓連携を追求したい」と述べた。
ただ、政府・与党内には先行きを不安視する声も根強い。尹氏は「戦後最悪」と言われた日韓関係の改善を主導してきたが、外相経験者は「反動で反日政権が誕生するかもしれない」と指摘。外務省関係者は「仮に尹政権が継続したとしても、政策の方向性が以前と同じかどうかは分からない」との見方を示す。
多国間の枠組みに懐疑的なトランプ次期米大統領の就任が目前に迫る中、日米韓連携への影響も危惧される。防衛省幹部は「日米韓(の枠組み)を維持できるのだろうか」と漏らした。
[時事通信社]
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