iPS治療、矯正視力0.5に=「水疱性角膜症」患者へ移植―慶大など
目の角膜が混濁して視力が低下する「水疱(すいほう)性角膜症」の患者に人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った細胞を移植する臨床研究で、患者の矯正視力が0.5に回復したと、慶応大や藤田医科大(愛知県豊明市)などの研究グループが15日までに発表した。移植後の合併症や副作用は確認されなかったという。
水疱性角膜症は、外傷や手術などで「角膜内皮細胞」が減少し、角膜が濁る病気。国内の患者は約1万人と推定されるが、移植しか治療法がない一方で提供者(ドナー)は不足しており、希望しても1年以上待機する状態が続いている。
榛村重人・藤田医科大教授らの研究グループは2022年10月、健常者のiPS細胞から作られた、角膜内皮細胞と同じ機能を持つ細胞約80万個を、70代男性患者の左目に注入。その結果、手術前は0.02で矯正不能だった視力が、1年後にはコンタクトレンズで0.5、眼鏡でも0.07まで回復した。
榛村教授は「腫瘍化などは認められず、角膜の濁りも想定以上に透明になった」と分析。経過観察を続け、有効性と安全性を検討するとしている。
[時事通信社]
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