盲目の元子役、LA火災で死亡 母親が悲痛のコメント
【シドニーAFP=時事】1990年代に英テレビ番組「キディ・ケイパーズ」に出演したオーストラリア人の元子役ロリー・サイクスさん(32)が、米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊を襲っている大規模な山火事で亡くなった。脳性まひ患者で盲目のロリーさんを救えなかった悲劇について、母親のシェリー・サイクスさんがメディアやSNSで明らかにした。≪写真は火災で燃えた車と住宅。米カリフォルニア州マリブにて≫
サイクスさん母子はロサンゼルスの海岸線に位置する高級住宅地マリブで、6.8ヘクタールの敷地を持つ邸宅に住んでいた。歩行にも障害があったローリーさんは、この敷地内に独立したコテージを持っていた。
母のシェリーさんは12日、豪テレビ局チャンネル9に対し、「ローリーの足は熱で腫れ始めていて、ほとんどうまく歩けなかった。お腹の具合も悪かったので、トイレから遠くに行きたがらなかった」と語った。
「それで息子は『ママ、僕を置いて行って』と言いました」。だが、息子を一人残して離れることはできなかった。
シェリーさんは「息が苦しくて、2羽のクジャクと一緒に母屋の浴室にこもった。床に座り、ペットボトルの水を使って体を濡れた状態に保とうとした」
そのうち、ローリーさんのコテージの屋根に火の粉が見えた。ホースを使って消火しようとしたが、「水が出なかった」。
■「ただの黒い灰」
シェリーさんは車を走らせ、最寄りの消防署に助けを求めたが、そこでも水は使えないと言われた。
今回の火災の初期段階ではロサンゼルスの一部地域で、消火栓から水が出ず、住民間で大きな怒りを招いた。当局は現地紙ロサンゼルスタイムズに、水不足が発生したのは、消火活動の規模と期間が市のインフラ設計を超えるものだったため説明している。
消防隊に連れられて自宅へ戻ると、ローリーさんのコテージは「ただの黒い灰」と化していた。「何も残っていなかった」
誕生日も一緒だった息子を失ったシェリーさんは、その死に打ちのめされている。「とにかく胸がつぶれそうで、今は現実とは思えない。息ができないほどです」
消防当局から、ローリーさんの死因は一酸化炭素中毒だと聞いた。
シェリーさんは、息子を危険から避難させられなかったことが悔やみきれない。豪テレビ局チャンネル10では「腕を骨折していて、彼を持ち上げることも動かすこともできなかった」と述べた。
強風にあおられた山火事は、ロサンゼルスで少なくとも24人の命を奪い、コミュニティーごとのみ込んでしまった。【翻訳編集AFPBBNews】
最新動画
最新ニュース
-
NY株、大幅続落
-
ミャンマーでM7.7の地震、140人超死亡=タイでは5人死亡、117人不明―バンコクで建設中ビル崩壊
-
谷川が負傷で離脱=サッカー女子
-
欧州で男子新リーグ構想=NBAとFIBAが発表―バスケット
-
松浦、スタイル披露=世界フリースタイル・スノボ
写真特集
-
ラリードライバー 篠塚建次郎
-
元祖“怪物” 巨人・江川卓投手
-
つば九郎 ヤクルトの球団マスコット
-
【野球】「サイ・ヤング賞右腕」トレバー・バウアー
-
【野球】イチローさん
-
【スノーボード男子】成田緑夢
-
【カーリング】藤沢五月
-
【高校通算140本塁打の強打者】佐々木麟太郎