有害廃棄物を40年ぶり除去=「世界最悪の産業事故」現場―印中部
【ニューデリー時事】インド中部ボパールの地元当局は2日までに、最大2万5000人超が死亡したとされる40年前の有毒ガス漏出事故現場跡地から、有害な廃棄物の一部を除去した。地元メディアなどによると、337トンの廃棄物が200キロ以上離れた施設にトラックで移送され、数カ月をかけて焼却処分される。地元裁判所が当局に除去を命じていた。
事故は1984年12月、ボパールの米化学企業現地子会社の工場で発生。50万人以上が健康被害を受けたとされ、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)と並び「世界最悪の産業事故」と呼ばれる。放置された有害物質が土中に浸透。周辺住民に病気や子供の先天性疾患が相次いでいるとの指摘が出ていた。
地元では焼却処分によって新たな健康被害が生じるとして、移送への反対運動も起きた。一方、事故後に加害企業を買収した米化学大手は法的責任を否定し、汚染土壌の浄化を拒んでいる。被害者支援団体を率いるラチナ・ディングラさん(47)は、時事通信の取材に「人々の生活をないがしろにした企業には、代償を払ってもらいたい」と憤った。
[時事通信社]
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