酒に発がんリスク明記を=適量基準見直しも勧告―米当局
【ニューヨーク時事】米国の公衆衛生政策を統括する保健福祉省(HHS)のマーシー医務総監は3日、アルコール飲料のラベルにがんの発症リスクが高まるとする警告を表示するよう勧告した。1日の適量に関する現行基準も見直すよう求めた。
勧告は、遺伝性などを除いたがんの原因として、アルコールがたばこと肥満に次ぎ3番目に挙げられると指摘。マーシー氏は「国民の大多数は(アルコール摂取の)リスクを認識していない」と述べ、啓発強化を訴えた。警告表示の変更には法令改正が必要となる。
現在、米国で販売されるアルコール飲料には妊娠中の女性のほか、車の運転や機械操作に携わる人への警告をラベルに表示することが義務付けられている。1988年に導入されてから変わっていない。
HHSなどは食事ガイドラインで、アルコール摂取量をビール(1杯約355ミリリットル)に換算した場合、「男性は1日2杯、女性は1杯まで」に制限すべきだと示している。米国で毎年アルコールに関連したがんで亡くなる人の17%がこの範囲で摂取しているといい、勧告は適量の再評価も要請した。ガイドラインは今年更新される予定。
[時事通信社]
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