欧州、「反捕鯨」を擁護=容疑者釈放で日本の要求通らず
【パリ時事】日本の調査捕鯨に対する妨害行為で国際手配された反捕鯨団体シー・シェパード(SS)創設者のポール・ワトソン容疑者(74)が17日、勾留先のデンマーク領グリーンランドで約5カ月ぶりに釈放された。日本政府は「法と証拠」に基づく公正な裁きを訴え、引き渡しを求めたが、捕鯨反対という「高潔な大義」(バロ仏外相)を擁護する欧州は異なる判断を下した。
「クジラの防衛は勝利した」。フランスのルモンド紙はワトソン容疑者の釈放をこう報じた。仏俳優で動物愛護活動家のブリジット・バルドーさん(90)はSNSに「クリスマスの奇跡だ。神様ありがとう」と投稿した。
ワトソン容疑者を支えたのはSS仏支部。マクロン仏大統領は7月の拘束当初から、日本への引き渡し阻止へデンマークに外交圧力をかけた。
ノルウェーやアイスランドといった例外を除き、欧州諸国は大半が商業捕鯨に反対だ。「威厳ある哺乳類の保護と繁栄」(ゴーブ元英環境相)という動物愛護の観点から、「捕鯨は残酷だ」との考えが浸透している。
欧州連合(EU)欧州議会は2012年、日本との経済連携協定(EPA)を巡る決議の中で、EPAに関係ない日本の調査捕鯨を取り上げ、「捕鯨廃止を幅広く議論」するよう迫った。「経済大国」の日本の捕鯨はやり玉に挙げられやすい。
デンマークは25年7~12月に輪番制のEU議長国を務める。ワトソン容疑者の問題が長期化する前に幕引きを図ったという見方もある。同国のホメルゴー法相は、容疑者の弁護団が唱える日本の司法制度の問題点を全面否定。外交関係に悪影響が及ばないよう配慮した。
[時事通信社]
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