ガザ停戦交渉、本格化の兆し=楽観論の一方、懐疑的見方も
【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突に関し、米国などによる仲介が活発化し、暗礁に乗り上げていた停戦交渉が本格化の兆しを見せている。ただ、妥結が近いとの楽観論の一方、懐疑的な見方も出ており、見通しを巡る情報が錯綜(さくそう)している。
イスラエル紙エルサレム・ポストは17日、交渉の内幕を知る2人の関係筋の話として、交渉で大きな進展が見られ、1カ月以内に合意する可能性があると報じた。アラブメディアにも楽観論が広がっている。
だが、ハマスには合意が恒久停戦につながらないことへの懸念が強い。3段階から成る停戦案の第1段階は40~60日とされるが、来年1月20日にトランプ次期米大統領が就任すれば、人質の一部が解放される第1段階の終了後、すぐにイスラエルのネタニヤフ首相に軍事行動再開を認めるのではないかとハマスは警戒。交渉の障害となっているという。
ロイター通信は17日、停戦交渉が近く妥結する可能性があり、ネタニヤフ氏が仲介国エジプトの首都カイロに向け出発したと報じた。しかし、イスラエルメディアによると、首相府の報道官はこれを否定した。
報道によれば、イスラエル当局者は「ハマスは妥結させたいとの意志があり、事態は好転している。しかし、依然として大きな隔たりがある」と述べた。同国のカッツ国防相は16日、「人質解放合意にこれほど近づいたことはない」と表明したが、当局者の一人はこの発言を「国民に間違った希望を与える」と批判した。
ハマスは17日の声明で、イスラエルが「新たな条件を付けなければ」停戦合意は可能だと主張した。ハマス幹部ハリル・ハイヤ氏らの交渉団が19日、生存する人質の情報を伝えるためカイロを訪れるとも報じられているが、交渉進展につながるかは不透明だ。
[時事通信社]
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