「未来のおむつ」万博で発信=多彩デザインのショー開催へ
2025年大阪・関西万博の開幕まで5カ月を切った。万博では海外パビリオンや日本館などに加え、来場者が無料で楽しめるイベントも連日行われる。注目の一つは医療・ヘルスケア分野の「未来社会」。来年6月24日には多彩なデザインのおむつを披露する一風変わったファッションショーが開催予定だ。主催者は「誰もがはきたくなる『未来のおむつ』を世界に発信したい」と語る。
企画したのは兵庫県尼崎市の障害児支援施設を運営する平林景さん(47)。メーカーの協力を得て、レースや刺しゅう付き、短パン型など「下着より格好良くポジティブな気持ちになるデザイン」を制作中だ。
ショーでは約30人の公募モデルを採用。10~80代の車いすや義肢ユーザー、外国人やトランスジェンダーなどさまざまな背景を持つ。平林さんは「おむつは全ての人が関わるものだと多様なメンバーで訴えたい」と強調する。
平林さんは、おむつの着用をためらう障害者や高齢者がいると知ったことから「市販品に色を付けてみたら」と思い付いた。23年秋、カラフルな試作品の写真をX(旧ツイッター)に投稿すると25万を超える「いいね」が付いた。紙おむつを使う成人が増え続ける中、ファッション性を高めることは喫緊の課題と考え、今年2月、医師らと共に一般社団法人「日本福祉医療ファッション協会」を立ち上げた。
万博では、音楽やダンスなどに加え、人工多能性幹細胞(iPS細胞)による再生技術といった医療・ヘルスケア関連の展示やイベントも数多く予定されている。政府関係者は「公募で集まった幅広い分野の企業がイベントを企画しており、新たな技術の展示場になるのでは」と期待する。
[時事通信社]
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