北朝鮮部隊が戦闘開始か=ロシアと「同盟」、共闘姿勢鮮明に
【ソウル時事】ロシアに派遣された北朝鮮兵がウクライナとの戦闘を始めたもようだ。北朝鮮には派兵を通じてロシアとの「軍事同盟」を確たるものにすると同時に、兵士に実戦経験を積ませる目的もあるとみられる。
米国務省のパテル副報道官は12日の記者会見で、ロシアに派遣された1万人以上の北朝鮮兵の大半が西部クルスク州に移動し「ロシア軍と共に戦闘作戦を開始した」と明らかにした。米政府が北朝鮮兵の戦闘参加を公に確認するのは初めて。韓国の情報機関・国家情報院も13日、北朝鮮軍が「既に戦闘に参加している」との認識を示した。
パテル氏によれば、北朝鮮の兵士はロシア軍から無人機操作などの訓練を受けた。ただ、言語や指揮統制などに課題があり、「ロシアが北朝鮮兵を活用して成功するかどうかは、いかに自軍に(北朝鮮兵を)統合できるかに懸かっている」と述べた。
北朝鮮とロシアは最近、両国首脳が6月の首脳会談で署名した「包括的戦略パートナーシップ条約」の批准を終えた。同条約の第4条は、一方が武力侵攻を受けた場合に「遅滞なく保有する全ての手段で軍事および他の援助を提供する」と定めており、事実上の「軍事同盟」と評される。
韓国国防研究院の杜真浩国際戦略研究室長は、ウクライナがクルスク州に越境攻撃を仕掛けたことを受け、北朝鮮が第4条を発動したと説明。ロシア軍は北朝鮮部隊に国境を守らせている状況だが、今後「作戦を発展させていくだろう」と展望する。
北朝鮮にはロシア派兵を通じ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や軍事偵察衛星の技術を獲得する狙いがあるとみられ、戦闘経験を積む機会にもなる。杜氏は、経済的な利益も大きいと分析しており、北朝鮮にとって派兵は「損失よりも実益が多い決定だ」と語った。
[時事通信社]
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