民主主義への疑念生む=前嶋和弘上智大教授―米大統領選・識者談話
前嶋和弘・上智大教授(米国政治)の話 米国の分断と拮抗(きっこう)を反映した大接戦となった。トランプ氏は、ポピュリスト的言説が功を奏し、無党派層の中でも共和党寄りの有権者の票を獲得することに成功したようだ。
トランプ氏は「ハリス氏は急に黒人になった」などと中傷や虚偽の言葉を並べて意図的に国民の分断を進めた。自身の支持層をあおり、民主主義への大きな疑念を生んだ。
ハリス氏が今後どのような動きに出るかは分からない。しかし、これほどの接戦だったことから、選挙を巡る訴訟が始まり、混乱につながる可能性もある。
連邦議会選を見ても分断と拮抗の状態だ。大きな政策変更を行おうとすると、対立する側から猛烈な批判が出る。米国の政治は当面停滞が続くだろう。
トランプ氏は、全国民の大統領にはならず、自身を支持する世論だけを重視して動くことになる。米国の分断はさらに深まるだろう。同盟国である日本にとっても影響は大きく、難しいかじ取りを迫られる。
[時事通信社]
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