ガザ、レバノン共に停戦交渉難航=ハマス、ヒズボラが提案に反発か
【カイロ時事】イスラエルが攻撃を続けるパレスチナ自治区ガザとレバノンでの停戦に向けた交渉が難航している。イスラム組織ハマス幹部は1日、AFP通信に、仲介国カタールとエジプトが示した短期間の停戦案を拒否したと表明。米国が主導するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの停戦仲介についても、ロイター通信は「失敗した」と報じた。
ガザでの停戦を巡り、イスラエルとカタール、米国の高官が先月下旬、ドーハで「新たな枠組み」を協議した。イスラエルはこの中で、1カ月の停戦期間中に収監中のパレスチナ人とガザで拘束される人質の一部を交換する案を提示したとされる。
ハマス幹部は、停戦案についてAFPに「恒久的な戦闘停止やイスラエル軍のガザ撤退、避難民の帰還が含まれていない」と指摘した。「パレスチナ人が求めているのは、完全で包括的、永続的な停戦だ」と従来の立場を主張。仲介国に同案を受け入れない考えを伝えたもようだ。
一方、レバノンでの停戦に関し、外交筋はロイターに、米国が起草した60日間の停戦案は「非現実的だ」と語った。「差し迫った脅威」があった場合に、イスラエルが軍事行動を取れるという内容が含まれているためという。ヒズボラに近い情報筋や外交筋は、実現可能な提案がなされず、戦闘が数カ月続く可能性があるとの見通しを示した。
イスラエル軍は2日、前日の作戦でレバノンとガザで標的120カ所以上を空爆し、ヒズボラ司令官2人を殺害したと発表した。一方、ヒズボラは、イスラエル中部の軍施設にロケット弾を発射したと主張。報道によると、この攻撃で、中部のアラブ系住民が居住する町で11人が負傷した。
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