激戦7州に遊説先集中=計100カ所、近年で最少―米大統領選
【ワシントン時事】11月5日の米大統領選に向け、民主党のハリス副大統領、共和党のトランプ前大統領が遊説で訪れた都市の数が、近年の大統領選で最も少ないことが分かった。米ネットメディア「アクシオス」が30日、独自集計に基づき報じた。両候補とも結果を左右する激戦7州を集中的に訪問しているためだ。
アクシオスによると、9月~10月の遊説先は予定を含め、ハリス氏が43カ所、トランプ氏が57カ所。2人の合計は100カ所で、新型コロナウイルス流行下で行われた2020年大統領選の計106カ所を下回った。08年の大統領選では、民主党候補が96カ所、共和党候補が93カ所と、合計で今年の2倍近くを回っている。
一方、今回の選挙戦でハリス氏は東部ペンシルベニア州フィラデルフィアを5回、トランプ氏は西部ネバダ州ラスベガスを3回訪れた。いずれも激戦州の中心都市だ。
両候補が激戦州以外を遊説するのは、特定の政策を訴える場合が多い。ハリス氏は南部テキサス州ヒューストンで、人気歌手ビヨンセさんと共に登壇。人工妊娠中絶の権利擁護を呼び掛けた。テキサス州は共和党が強く、中絶を事実上禁止する厳しい規制を採用している。
これに対しトランプ氏は、民主党が優勢な西部コロラド州オーロラでの演説で、「ベネズエラ系移民にこの街が乗っ取られている」と主張。不法移民の強制送還を訴えた。
訪問都市の減少について、アクシオスは「ハリス氏もトランプ氏も、(選挙運動を効率的に進めるため)短距離走ではなくマラソンのように取り組んできた」と指摘。選挙集会の様子などを手軽に視聴できるSNSの普及などで、「有権者と接触する方法の変化を反映している可能性がある」とも分析した。
[時事通信社]
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