被告、実刑判決に動揺見せず=裁判員「難しかった」―メタノール中毒死
メタノール中毒死事件で、東京地裁は30日、吉田佳右被告(42)による妻殺害を認定し、実刑判決を下した。一貫して身の潔白を訴えていた吉田被告だが、判決が言い渡されても動揺は見せず、身じろぎせずに前方を見詰めていた。
吉田被告は午後3時すぎ、上下グレーのスーツに紺のネクタイを締めて入廷。裁判長が判決理由を朗読する間も、うなずいたりはせず、終始落ち着いた様子で背筋を伸ばして着席していた。
吉田被告の関与を裏付ける直接的な証拠がない中、自殺の可能性を訴える弁護側と、被告による殺害を主張する検察側が真っ向から対立した。
判決後、裁判員らが記者会見。30代女性は、「決定的な証拠がない中で有罪か無罪かを争っていたので、なるべく合理的に考えるようにした。難しかった」と振り返った。60代女性は「とても悲しい事件で、殺人を起こさない方法はなかったのかなと思う」とうつむきながら話した。
[時事通信社]
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