福島第1原発でデブリつかむ=試験的取り出し作業で―東電
東京電力は30日、福島第1原発事故で溶け落ちた2号機の核燃料(デブリ)の試験的取り出し作業で、回収装置の先端部分で少量のデブリをつかんだと発表した。実際に回収するまでには1週間前後かかる見通し。成功すれば2011年の事故以降初となる。
東電によると、同日午前10時前から作業を開始。「テレスコ式」と呼ばれる釣りざお状の回収装置の先端部に取り付けられた爪のような器具を格納容器の底部にたまったデブリに向かって下ろし、同10時半に遠隔操作で少量を採取。爪を引き上げて、午後0時半すぎに作業を終えた。
31日以降は回収装置を格納容器から引き出す作業を行い、デブリを運搬用容器に収納する。放射線量が想定を超えた場合は、作業員の被ばくを防ぐために格納容器に戻す可能性もあるとしている。回収したデブリは、日本原子力研究開発機構の施設で詳しく分析する。
放射線量の極めて高いデブリは同原発1~3号機内に約880トンあると推定されており、取り出しは廃炉作業の中でも「最難関」とされる。東電は当初、21年に着手する計画だったが、海外での装置開発や準備作業などが難航し、約3年遅れで今年9月から開始した。
[時事通信社]
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