実業家で「実直な人」=勇さん「孫との銭湯楽しみ」―家族連続殺人
細谷健一被告(43)の父、勇さん=当時(73)=は、皮革関連の会社を創業後、旅館の経営を手掛けるなどして事業を拡大した。仕事で取引があったという男性は「実直な人で倹約家。会社の経営も順風満帆に見えた」と語る。
関係者などによると、勇さんは千葉県出身で、東京・浅草の皮革店に勤務後、独立。1979年、皮革の加工や卸売りをする「ホソヤ産業」を設立した。76年に次女美奈子さん、81年に長男健一被告が生まれ、経理担当の妻とともに、子育てをしながら会社を切り盛りした。家族で熱海や箱根のリゾートホテルに旅行に行くこともあった。
長年の取引先に自ら営業に行くほど、仕事には熱心に取り組んだ。ゴルフが好きで、毎年の社員旅行でもゴルフを楽しんでいたという。
健一被告をホソヤ産業の役員に迎え入れ、2012年には事業を拡大して旅館経営に乗り出した。同社関係者は「皮が駄目になったら、ホテルに力を入れていこうとしたんだと思う。(健一被告に)会社を継がせるつもりだったのではないか」と推測する。
「孫と一緒に銭湯に行くことが唯一の楽しみ」。知人の女性は、健一被告と妻志保被告(38)の子どもたちについて、勇さんが近所の知り合いにこう話したのを覚えている。朝8時ごろ、自宅マンション前を掃除するのをたびたび見掛けたといい、「きれい好きで気遣いができる人だった」と話した。
[時事通信社]
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