選挙イヤー、財政悪化に警鐘=米大統領選、減税競う―IMF幹部
【ワシントン時事】今年は日米など多くの国で政権を選ぶ選挙が実施される大型の「選挙イヤー」だ。国際通貨基金(IMF)のガスパール財政局長はインタビューで「政治的な発言が財政拡張を支持する方向に転換し、財政規律を強調する発言は勢いを失っている」と述べ、世界的な財政悪化に警鐘を鳴らした。
ガスパール氏によると、今年は世界90カ国以上で大型選挙が実施され、政治体制や財政政策に大きな影響を与える見通し。日本の衆院選でも、各党が給付金や減税を訴えている。
注目度の高い11月の米大統領選は、民主党候補のハリス副大統領、共和党候補のトランプ前大統領が接戦のまま終盤戦に入り、両候補は減税の追加策を打ち出した。米シンクタンク「タックス・ファンデーション」によると、どちらの候補が勝利しても、財政赤字は拡大する見通し。今後10年間で広がる赤字幅は、ハリス氏勝利で最大3兆4000億ドル(約516兆円)、トランプ氏は最大3兆ドルと試算した。
ガスパール氏は「今後数年間は公共支出に増加圧力がかかる」と警告。各国の選挙に伴う財政への影響を分析する方針を示した。
[時事通信社]
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