両陣営がヒスパニック争奪戦=「経済支援」と「移民排斥」―米大統領選
【ワシントン時事】米大統領選の投開票まで2週間を切る最終盤に入り、民主党のハリス副大統領(60)と共和党のトランプ前大統領(78)がヒスパニック系有権者の争奪戦を繰り広げている。ヒスパニック系は伝統的に民主党を支持する傾向が強かったが、最近は特に男性の間で共和党支持が高まっており、両陣営はてこ入れに躍起だ。
ハリス氏は22日、ヒスパニック系男性に対象を特化した公約を新たに発表。連邦職員採用での学位要件撤廃などを通じた雇用推進策のほか、起業家への最大2万ドル(約300万円)の融資100万件、住宅購入の頭金補助を盛り込み、経済的機会の拡大を提唱した。
同日のスペイン語放送局テレムンドのインタビューでは「ヒスパニック系男性は、大手銀行から融資を受けるのが困難な場合が多い」として、支援強化を約束した。ウォルズ副大統領候補やハリス氏の夫エムホフ氏も今週、スペイン語メディアに相次ぎ出演する。
一方、トランプ氏は22日、南部フロリダ州マイアミでヒスパニック系指導者との対話集会を開催した。ハリス氏が経済的支援を柱に据えたのに対し、「移民問題が最大の争点だ」と強調。急増する新規移民が人種的少数派(マイノリティー)の職を奪い、犯罪増加をもたらしていると主張し、当選すれば「国境を封鎖する」と述べた。
NBCテレビが9月、ヒスパニック系を対象に実施した世論調査によると、支持率は民主党が54%で共和党が40%。2020年調査の63%対27%よりも差が縮まった。女性の支持はハリス氏が60%、トランプ氏が34%だったのに対し、男性は47%で並び、共和党への傾斜がみられる。
[時事通信社]
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