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2024-10-23 10:09社会

福井中３殺害、再審開始決定＝服役男性の第２次請求審―知人証言の信用性争点・名古屋高裁支部

福井女子中学生殺害事件の再審開始が認められた前川彰司さん（左）＝２３日午前、金沢市
福井女子中学生殺害事件の再審開始が認められた前川彰司さん（左）＝２３日午前、金沢市

　１９８６年に福井市で中学３年の女子生徒＝当時（１５）＝が殺害された事件で殺人罪が確定し服役した前川彰司さん（５９）の第２次再審請求審で、名古屋高裁金沢支部（山田耕司裁判長）は２３日、再審開始を決定した。
　明白な物証や事件の目撃者はなく、血の付いた前川さんを見たなどとする知人らの証言の信用性が最大の争点だった。第１次請求審で同支部は証言の信用性を否定し再審開始を決定したが、名古屋高裁が取り消し、最高裁で確定していた。
　第２次請求審で弁護側は、事件後に前川さんが乗ったとされる車から血液反応が出なかったのは、検察側が主張する清掃や日光の影響ではないとする実験結果を新証拠として提出。心理学鑑定の結果も示し、前川さんの関与を示唆した知人証言の変遷には複数の矛盾があるとした。
　弁護側の請求を受け、検察側は警察が捜査初期に作成した書類など計２８７点の証拠を新たに開示。弁護側はこれを基に、知人証言にある事件当夜のテレビ番組が放送されていなかったことや、タクシーの運転日報が存在しないことを指摘した。
　さらに、確定前の公判で「血の付いた前川さんを見た」と証言した知人が証人尋問に応じ、「担当刑事に『闇取引』を持ち掛けられ、自身の覚醒剤事件を握りつぶす見返りとして虚偽の証言をした」と告白。警察官から接待を受けたとも明かし、この警察官から受け取った結婚祝いののし袋も提出された。
　一方、検察側は「弁護側の実験は血痕の付着条件から逸脱している」などと指摘。心理学鑑定についても「直ちに供述の信用性を失わせる証拠ではない」と反論していた。　
［時事通信社］

福井女子中学生殺害事件の再審開始が認められ、喜ぶ前川彰司さん（右から２人目）ら＝２３日午前、金沢市
福井女子中学生殺害事件の再審開始が認められ、喜ぶ前川彰司さん（右から２人目）ら＝２３日午前、金沢市

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