20日にモルドバ大統領選=ウクライナ隣、EU加盟巡る国民投票も
ウクライナの隣国モルドバで20日、大統領選(任期4年)の投票が行われる。世論調査によると、親欧米派の現職サンドゥ大統領(52)が優勢。欧州連合(EU)加盟路線の憲法明記を巡る国民投票も同時実施し、ロシアと欧米の間で揺れてきた旧ソ連構成国の将来を占うことになりそうだ。
モルドバは親ロ派支配地域「沿ドニエストル」を抱え、ロシアが侵攻したウクライナと類似性が指摘される。プーチン政権が同地域に近いウクライナ東・南部4州「併合」を2022年に宣言。軍事的脅威から国民の反ロ感情が以前より強まっている。越境した避難民も受け入れた。
大統領選には11人が出馬。支持率はサンドゥ氏が約36%で、ドドン前大統領の流れをくむ親ロ派など他候補を引き離している。一方、20年に就任したサンドゥ氏は内政・外交の成果に評価が下される形。過半数を得て、11月3日の決選投票を待たずに勝利できるかも焦点だ。
モルドバは、侵攻下のウクライナと共にEU加盟申請。今年6月、加盟交渉が始まった。ロシアはモルドバを勢力圏にとどめようと親ロ派の新興財閥を通じ、なりふり構わず買収や偽情報工作を図っているとされ、米国が警戒を促している。選挙結果に不満を持つ親ロ派のデモが仕掛けられる可能性もある。
[時事通信社]
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