「組織壊滅」へ標的排除=ハマス、大きな痛手―イスラエル軍
【イスタンブール時事】イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザでの軍事作戦の目標とするイスラム組織ハマスの「壊滅」に向け、最重要の標的だった最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏を殺害した。既に多くの幹部が殺害されたハマスにとっては大きな痛手。イスラエルは人質解放という残る目標達成に全力を挙げる構えだ。
イスラエル軍は、最近集められた「不審な場所」に関する情報に基づきシンワル氏を追い詰めたと説明。イスラエルのメディアは、軍がガザ最南部ラファの建物を攻撃後、ドローンで生き残っている者を見つけたため殺害したと報道。軍報道官によると、シンワル氏がそこにいるとは知らなかったという。
ガラント国防相は17日、ガザとの境界を訪れ「シンワルは打ちのめされ、追跡され、組織を統率できず自分のことだけを考えて死んだ」と強調。「全ての敵への明白なメッセージだ。イスラエル軍は市民と部隊を脅かす者は誰であれ見逃さない」と述べ、イスラエルを攻撃したイランや親イラン勢力をけん制した。
イスラエル軍は3月にガザ中部ヌセイラトで空爆を実施し、ハマス軍事部門「カッサム旅団」ナンバー2のマルワン・イーサ氏が死亡。7月には同旅団トップのムハンマド・デイフ氏をガザ南部ハンユニスで殺害した。
シンワル氏の前任ハニヤ氏も訪問先のイランで暗殺され、昨年10月のイスラエル奇襲を首謀したとされる重要幹部は次々と命を落とした。ハマスはもはや、指揮命令系統が機能する強力な軍事組織とは言い難いのが実情だ。
イスラエルでの投獄経験があるシンワル氏は、民間人の犠牲者が増え続けるのを尻目に反イスラエル闘争の継続を訴えた強硬派だった。米CNNテレビはイスラエル当局者の話として、後継者の見通しが立たずハマスが混乱に陥る中、捕らわれた人質に「危害が及ぶ恐れがある」と伝えた。
[時事通信社]
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