連合、賃上げ目標「5%以上」=前年並み高水準、物価上昇に備え―格差是正を強化・25年春闘
2025年春闘で、連合が基本給を底上げするベースアップ(ベア)に定期昇給を合わせた賃上げ要求方針について、「5%以上」とする方向で調整していることが16日、分かった。24年春闘で掲げた「5%以上」の目標を維持する。物価上昇が続く中で高水準の賃上げを定着させるとともに、価格転嫁を推進して大手と中小組合間の格差是正の取り組みを強化する考えだ。
18日の中央執行委員会で基本構想として確認し、11月に開く中央委員会で闘争方針を正式決定する。連合の方針に基づき、自動車や電機などの産業別労働組合や個別企業の組合が春闘に向けて具体的な要求をまとめていく。
25年春闘の基本構想案では、2%の定期昇給の確保を前提に、3%以上のベアを要求する方針。24年春闘で大手と中小組合の規模間格差が目立ったことを踏まえ、中小の要求水準は全体よりも高い「6%以上」とし、一層の賃上げ獲得を促す。
連合の集計によると、24年春闘の賃上げ率の加重平均は5.10%と33年ぶりの高水準に達した。高い賃上げを実現した一方で、物価上昇を反映した実質賃金は5月まで過去最長となる26カ月連続で前年水準を下回った。25年春闘でも経営側に対し積極的な「人への投資」を求め、国際的に見劣りする賃金水準の底上げを目指す。
連合の芳野友子会長はこれまでに「中小・小規模事業者の底上げに重点を置いた取り組みにしていく」と表明。今月1日に就任した石破茂首相も所信表明演説で「物価上昇を上回る賃金の増加を実現していく」と強調しており、賃上げは衆院選でも争点の一つになっている。
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