勾留中死亡男性の遺族が提訴=愛知県に8100万円賠償請求―名古屋地裁
愛知県警岡崎署の留置場で2022年12月、勾留中の無職男性=当時(43)=が死亡した事件を巡り、男性の遺族側が15日、愛知県に慰謝料など約8100万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こしたと明らかにした。提訴は12日付。男性の父親は「毎日、息子の無念の気持ちを思わない日はない。留置施設で何が起きているのか、外から監視できる仕組みを作ってほしい」とコメントを発表した。
訴状によると、男性は22年11月に公務執行妨害容疑で逮捕され、岡崎署に勾留された。精神疾患があり、大声を出して暴れるなどしたため、保護室に収容。ベルト手錠や捕縄などの「戒具」で計約140時間両手足を拘束され、同12月4日に重度の脱水症状による急性腎不全で死亡した。
男性は死亡するまで5日間飲食をしておらず、精神疾患に対する必要な医療措置も取られていなかったことから、遺族側は虐待に当たると主張している。
事件を巡っては、県警が23年12月、業務上過失致死と特別公務員暴行陵虐などの容疑で、同署の留置主任官だった元警部ら9人を書類送検。元警部1人が業務上過失致死罪で罰金80万円の略式命令を受け、8人は不起訴となった。
[時事通信社]
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