2024-10-12 04:19政治

「未来社会」なのに不便?=ネット予約で手続き煩雑―大阪・関西万博

万博チケットの種類・特徴と入場までの流れ
万博チケットの種類・特徴と入場までの流れ

 2025年の大阪・関西万博開幕まで13日で半年となる。今回の万博のコンセプトは「未来社会の実験場」で、日本国際博覧会協会はインターネットを通じた入場日時の予約制を導入し、入場ゲートやパビリオンの前で「並ばない万博」を掲げる。一方、事前予約を徹底することで手続きは煩雑化。「入場券売り上げ低迷の一因になっている」(関係者)との指摘もある。
 万博会場となる人工島「夢洲」には、地下鉄大阪メトロ中央線で新設の「夢洲駅」まで行くのが主要ルートだが、大混雑が予想される。入場ゲート付近はスペースが狭く、予約制導入により、来場者の安全を確保する狙いがある。
 パビリオンにも予約制を導入することで、会場内で列に並ぶ時間を最小限に抑え来場者の満足度向上を図る。協会幹部は「これまでになかった様式を実現させる良い機会になる」と力を込める。
 ただ、手続きは複雑だ。協会によると、まず、専用サイトを経由して電子チケットを購入。来場日の期限が設定されたものや時間帯が限定されたものなど、さまざまな種類があり注意が必要だ。
 購入時には「万博ID」を登録した上で、いつ行くかを事前に申し込む。入場日時の予約は来場希望日の6カ月前から先着順で受け付ける。例えば開幕日なら今月13日から申請できる。
 パビリオンなどの予約には別途申し込みが必要。こちらは原則3カ月前から前日までに計3回申請する機会があり、抽選や先着順で決まる。抽選となる1、2回目は第5希望まで申し込むことができるが、人気パビリオンには希望が殺到することが見込まれる。
 現在、前売り券の販売枚数は約700万枚。目標とする1400万枚の半分にようやく達したところで、購入者の多くは協賛企業の関係者だ。大阪府幹部は「雑踏の心配は入場券が売れてからすればいい。入場券が売れなければ運営費が赤字になりかねない」と危機感を募らせる。
 ネットに不慣れな高齢者らを想定し、協会は13日から新たに紙のチケット販売も開始。コンビニなどで購入でき、一部は入場日時の予約なしでも入れるようにする。ただ、大型連休や夏休みなどの繁忙期の入場には専用サイトでの手続きが必要で、効果は未知数だ。 

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