国スポ、変革への第一歩=開会式は自由な雰囲気
第一歩を踏み出した。国民スポーツ大会(国スポ)が佐賀県で行われている。国民体育大会から改称され、初の本大会。1946年に始まり、各都道府県が原則持ち回りで開催してきた伝統の大会は、時代に合わせて生まれ変わろうとしている。
5日の総合開会式。五輪のようなスポーツ大会らしさを打ち出すため、選手らは今までの足並みをそろえた行進ではなく、自由な雰囲気で練り歩いた。各都道府県が工夫を凝らし、熊本県は人気キャラクター「くまモン」と一緒に入場。約1200人のパフォーマーがダンスで盛り上げた。
国スポには、経費負担などの問題から廃止を含めた厳しい意見もある。今後の在り方を考える有識者会議のメンバーで、元アルペンスキー選手の皆川賢太郎さんは「変革期の国スポのスタートにふさわしい」と評価した。
開会式の演出ではバレーボールSVリーグのSAGA久光や、サッカーJ1鳥栖など県内のプロスポーツチームとも協力。日本サッカー協会元理事の鈴木寛東大大学院教授は「今まではプロ、アマを意識していたが、関係なく、佐賀のスポーツがみんな集まった」と変化を語った。
問われる大会の意義について、鈴木教授は「スポーツは、最高のプレーを間近で一人でも多くの人に、感動できるシチュエーションで見てもらうことが全て」と指摘。バレーボールやレスリングなどで初めてナイトゲームを行い、観戦機会を増やすための工夫も凝らす。今後へ向け、価値を示すことが求められる。
[時事通信社]
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