家畜ワクチンで受注調整か=動物用医薬品卸会社に立ち入り―公取委
山形県などが発注した家畜用ワクチンを巡って受注調整を繰り返した疑いがあるとして、公正取引委員会は8日、独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで、動物用医薬品の卸会社3社を立ち入り検査した。関係者への取材で分かった。
3社は「アグロジャパン」(新潟市)、「MPアグロ」(北海道北広島市)、「小田島商事」(岩手県花巻市)。公取委は山形県内にある営業所などの検査を通じ、実態解明を進める。
関係者によると、3社は遅くとも2020年度から、山形県と公益社団法人「山形県畜産協会」(山形市)が発注する牛、豚向けワクチンの入札や見積もり合わせで、受注調整していた疑いが持たれている。
山形県は家畜伝染病「豚熱(CSF)」ワクチンを、同協会は豚熱以外のワクチンを発注。受注調整でワクチン価格が高止まりし、畜産業者の経営圧迫につながった懸念もあるという。
アグロジャパンとMPアグロの親会社などは、過去に公取委から医療用医薬品の談合などで独禁法違反の認定を受けていた。
検査を受け、MPアグロの親会社「メディパルホールディングス」はホームページで、「MPアグロとともに、事態を厳粛かつ真摯(しんし)に受け止め、公正取引委員会の検査に全面的に協力していく」とコメント。他の2社は担当者が不在としてコメントしなかった。
[時事通信社]
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