中嶋監督、選手第一を貫徹=3連覇集団に「慣れ」も―プロ野球・オリックス
一から強い集団をつくったからこそ、もどかしい結果を受けて潔く退いた。オリックスの中嶋聡監督(55)が今季限りでの退任を決断。6日のシーズン最終戦後、選手らに思いを告げた。2021年に正式就任後、低迷するチームをリーグ3連覇、22年には26年ぶりの日本一に押し上げた指揮官。球団は慰留を試みたが、決意は固かった。
今季は開幕からかみ合わなかった。ことごとく運にも見放され、波に乗り切れないまま下位に沈んだ。4年ぶりのBクラスとなる5位。中嶋監督はチームに隙を感じたという。求めてきた全力疾走などの凡事徹底の意識が全体で薄れたように映り、「人はやっぱり慣れる。その慣れという部分が今年はより強く出てしまった」。空気を変えるため、身を引くことを決めた。
選手の成長を信じ、特に若手に対しては公の場で褒めることは少なかった。それでも、気付いたことがあれば、身ぶり手ぶりを交えて助言を送る。5月に安達が1試合で3失策した数日後にはグラブを持ってグラウンドに現れ、キャッチボールに誘った。常に選手第一だった。
春季キャンプでは外食ではなく、宿舎で食事を済ませる姿をよく目にしたという。チームが良くなるため、現場で頭を使ってきた。「楽しみな選手がいっぱいいる。行く末を見てみたいが、いつかは終わりが来る」。勝利と育成の両立のため努めてきた日々に、区切りをつける。
[時事通信社]
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