SVリーグ「夢と志を持って」=最高峰目指し11日開幕―大河チェアマンに聞く
バレーボールの新リーグ、大同生命SVリーグが11日に開幕するのを前に、大河正明チェアマン(66)が時事通信のインタビューに応じた。Jリーグのクラブライセンス制度導入や、バスケットボール男子Bリーグの発足に関わったスポーツビジネスの第一人者に、2030年までに世界最高峰を目指すリーグの今後について聞いた。
―22年秋からVリーグ改革に関わり始め、抱いた印象は。
ポテンシャルはある。(ファンによる)選手の「推し活」は素晴らしいが、チームを応援する文化がまだまだできていない。そこが変わることが大事だと思った。
―着手したことは。
法人の諸規定を整備し直し、クラブライセンス制度を機能するようにした。SVリーグになる期待感を醸成し、事業を大きくしてきた。
―ここからのカギは。
クラブの本気度。ファンやスポンサーの満足度を上げていくことにどれだけコミットできるか。
―初年度予算は30億円に迫った。
職員が増え、「バレーボールムラ」からスポーツビジネスの世界に変わってきた。(外部人材を)だいぶ登用できた。
―昨季Vリーグ1部の平均入場者数は男子2180人、女子964人。
Bリーグの初年度は2779人。男子はそれを超える2800人、女子も2000人近くに持っていきたい。
―男子と一緒に女子も盛り上げるためには。
地域密着で集客し、ファン満足度を高めてリピーターになってもらう。そういうことを違う競技で成功させてきたパワフルな人を迎え入れ、「女子プロジェクト」を展開していこうと思っている。
―世界最高峰の定義は。
世界で一番経営力があり、入場者数と売り上げが多く、世界クラブ選手権で優勝するクラブを出し、五輪などの世界大会に出場している選手が最も多いリーグ。(イタリアでプレーする)石川祐希選手が、ここが一番だと思って帰ってくれば成功。
―当面は3000人、30~31年シーズン以降は5000人以上収容可能なホームアリーナの確保を求めている。
今後Bリーグのアリーナが(多く)できる。スポーツ市場(の価値)を高めていく意味では、SVリーグのチームも使った方がいい。(本拠地が)重なっていないところは新しく造るか、既存のアリーナを貸してもらえるよう自治体との密接な関係をつくる。
―いよいよSVリーグの初年度が始まる。
大きな夢と高い志を持って、チャレンジしていくリーグになりたい。
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◇大河正明氏の略歴
大河 正明氏(おおかわ・まさあき)京大出。81年に三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入り、90年代にJリーグに出向。10年に銀行を退社した後、Jリーグ理事に。15年9月からBリーグのチェアマンを務め、20年に退任。22年9月にVリーグ機構副会長に就任し、びわこ成蹊スポーツ大の学長と兼任。24年7月からSVリーグのチェアマンに専念。66歳。京都市出身。
[時事通信社]
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